常温環境下でも可能! 光を用いた量子ドットの分離・濃縮

2021.09.07

工学部 特許 ナノテク・材料ものづくり技術
量子ドット 光励起 レーザー光 選択・分離

概要

●発明の名称:半導体量子ドットの分離装置及び分離方法

 

●出 願 番 号:特願2020-39762

 

●発 明 者:熊倉 光孝

 

 常温・液体中での物質の分離技術は、電荷を持った粒子に対する電気泳動や、中性粒子に対するクロマトグラフィーあるいは誘電泳動などが良くいられている。これらは電荷や誘電率、担体との相互作用の大きさなどで分離を行うことが可能であるが、化学合成で生成されたサイズが数nm程度の半導体量子ドットの分離に誘電泳動や超遠心分離技術で選別・分離することは難しい。また、光学特性が異なる様々なサイズの粒子が混在するため、光学特性の違いに基づいて分離する手法も利用できず、これらの粒子を応用する上での大きな制約になっていた。

 

 本発明では、ナノサイズの半導体微粒子である量子ドットの運動をレーザービームによる光励起と電場を利用し、この半導体量子ドットの光吸収スペクトルの違いに基づいて特定の光学特性を持つ粒子を常温液体中で選択的に分離する技術を提供する。 特性の揃った粒子を選択・分離できれば、ディスプレイや太陽電池などの光エレクトロニクスデバイスの高効率化などが可能になる。また、分離される粒子の数から、特定の特性を持つ粒子数の分析も可能であり、量子ドットの生成条件最適化などへの応用が期待できる。

 

 

想定される用途

・量子ドットを利用した光学デバイス・ディスプレー・太陽電池の開発
・医療・バイオ分野などにおけるマーカーへの応用

 

研究者

熊倉 光孝 工学部 物理工学講座