カバノアナタケを用いた 抗糖化物質の高効率生産
2022.09.06
工学部 アグリ・バイオ ライフサイエンス
カバノアナタケ
変異株
液体表面培養法
人工培養
抗酸化
3,4-dihydroxybenzalacetone (DBL)

概要
●発明の名称:新規カバノアナタケ変異株、およびその利用
●出 願 番 号 :特願2021-090571
●出 願 人:福井大学、若狭湾エネルギー研究センター
●発 明 者:櫻井明彦、藤あかね、畑下昌範
●発明の名称:抗糖化剤、およびその利用
●出 願 番 号 :特願2021-090572(特願2022-79704)
●出 願 人:福井大学、若狭湾エネルギー研究センター
●発 明 者:櫻井明彦、藤あかね、畑下昌範
カバノアナタケの子実体には様々な生理活性物質が含まれており、その抽出物には様々な生理活性作用もあることが報告されている。しかし、天然の子実体は成長が遅く、採取可能な大きさになるまでに十年以上の期間が必要であり、通常の深部培養法でカバノアナタケを培養しても、生理活性物質の生産性は著しく低く、実用上有効な培養技術は開発されていなかった。
本発明では、カバノアナタケの菌糸体を液体表面培養法により、これまで人工培養されていなかったカバノアナタケの生理活性物質を効率的に生産する技術を提供する。培地として白樺樹液などの特殊な培地成分を必要とせず、一般的な炭素源と窒素源のみで培養が可能であるため、カバノアナタケの菌糸体を工業規模で安価に、かつ簡便に生産することができる。
また、生理活性物質の主成分である3,4-dihydroxybenzalacetone (DBL)の生理活性としてこれまで知られていなかった抗糖化作用を見出した。DBLの抗糖化活性はこれまでに報告されていないが、基準物質であるアミノグアニジンの10倍程度の高い値を示した。
研究者
櫻井 明彦 | 工学部 | 生物応用化学講座 |