高強度かつ生分解性あり!強く環境にやさしい、セルロースナノファイバー複合繊維
2023.02.09
工学部 特許 アグリ・バイオ ライフサイエンス ナノテク・材料ものづくり技術
セルロースナノファイバー
複合繊維
エレクトロスピニング
生分解性
配向性

概要
●発明の名称:複合繊維、その製造方法、および繊維製品
●出 願 番 号 :特願2021-124469
●発 明 者:藤田 聡
近年、高分子材料にフィラーを添加し複合化する事により高分子材料の物性改良を図る検討が行われている。その一つに、ポリ乳酸フィルムにセルロースを含有させてフィルムの強度を増大させる方法が提案されている。しかし、この方法ではセルロースがフィルム内にランダムに存在するため、フィルムの補強効果としては不十分である。
本発明では、微細セルロース(以下CNC)と疎水性ポリマーであるPHBHを用いてエマルションを調製し、エレクトロスピニング法(以下ES法)で射出することで、紡糸時に疎水性ポリマーに内包された微細セルロースが軸方向に配向・バンドル化した機械的強度の高い複合繊維を得ることができる。
本発明で得られる複合繊維は機械的強度に優れ生分解性を有するため、本繊維を用いた不織布・フィルムは、フィルタ、梱包容器、医療・細胞培養資材など幅広い各種繊維製品・用途への利用が期待できる。また、複合繊維の配向性をコントロールすることにより、例えば、繊維製品の所望の箇所に引張強度の異方性を付与したり、複合繊維を含む膜の幾何的構造や表面粗さ、膜厚、張力、繊維径などを所望の仕様に調整した複合繊維膜を得ることができる。
研究者
藤田 聡 | 工学部 | 繊維先端工学講座 |