熱伝導方向をデザインする!新規熱伝導性シート

2021.10.22

工学部 特許 ナノテク・材料ものづくり技術 環境・エネルギー
熱伝導シート エレクトロスピニング セラミックス繊維 厚さ方向 絶縁性

概要

●発明の名称:高熱伝導性材料及びその製造方法

●出 願 番 号 :特許第7164874号

●発 明 者:中根 幸治

 

●発明の名称:窒化アルミニウムファイバーシート及び高熱伝導性材料

●出 願 番 号 :特開2021-127557

●発 明 者:中根 幸治

 

●発明の名称:熱伝導性材料および熱伝導性材料の製造方法

●出 願 番 号 :特開2023-62888

●発 明 者:中根 幸治 

 

 電子機器を連続使用することで発生する熱を放熱するために、熱伝導性シートが用いられています。これは通常、シリコンやアクリルなどの樹脂で構成されていることが多く、樹脂中に金属製のフィラーを分散させることで熱伝導性を向上させていました。
 一方で、熱伝導性材料は絶縁性が必要とされているため、近年無機フィラーを活用した研究が進んでいます。しかし、アルミナ繊維などの無機フィラーを用いた際、繊維方向(面方向)へは高い熱伝導性が得られるものの、繊維とは垂直方向(厚さ方向)の熱伝導性が低くなる点が課題として挙げられていました。

 

本発明では、熱伝導率の高いセラミックス(窒化アルミニウムやアルミナなど)を繊維化し、さらに繊維同士の接地面積を増やすことによって、厚さ方向でも極めて高い熱伝導性を確保できる熱伝導性シートを提供します。本シートは、セラミックス繊維と樹脂で構成されているため絶縁性が高く、高熱伝導性シートとしてスマートフォンやPC、TV、LEDなど幅広い電子機器に活用が期待できます。さらに、セラミックの繊維化方法によっては厚さ方向に断熱性、面方向に高熱伝導率を発揮する新しい熱伝導方向デザインシートとしての応用が期待できます。

 

◆応用が期待される分野
 ・熱伝導性シート(放熱用途)、スマートフォン、PC、TV、LED、など

研究者

中根 幸治 工学部 繊維先端工学講座