創業型実践大学院工学教育による人材育成
福井大学 大学院工学研究科・産学連携本部 博士前期課程、若手企業人対象コース
~「試作・試販売」や「MOT教育」を通した実践的な人材や経営人材の育成~
工学研究科と産学官連携本部、特にインキュベーションラボファクトリーを中心とした 「試作・試販売」や「MOT教育」を通して実践的な人材や経営人材の育成を行っている。
「創業型実践大学院工学教育」H18~H20年度文科省特別教育研究費
- 2006年4月より始めたプログラムで、大学院のより実践的な工学教育を実施し、スキルが高く、また視野の 広い人材の育成を目的としています。
- 技術経営を中心とした経営・財務に関する科目や知的財産などの講義と、製品化・企業活動の実践的な 経験を積むためのビジネスプランの作成や試作品の製作・試販売経験、中期インターンシップなどの実習からなるカリキュラムです。
- 規定の教科で6単位、実習で4単位、合計10単位以上取得により「技術経営カリキュラム修了証」を学長名で授与します。
- 大学が保有するシーズ(特許等)を、学生・教員・若手研究者が技術移転を意識して「ものづくり」を行い、実際に販売していく。
- この「ものづくり」や「販売」の計画・実施を、産業界と協力して進めていきます。これによって、 学生等がビジネスでの実践能力をより早く養っていく。
- たとえ一点ものであっても実際に社会にリリースしていきます。これによって、事業化に 必要なスペックや市場性など基礎データを集積していく。
設置科目一覧
1.工学研究科共通科目
「技術経営のすすめ」
「経営学概論」
「技術系のマネジメント基礎」
2.工学部授業科目
「知的財産権の基礎知識」
「ベンチャービジネス概論」
3.コース専用実習科目
「インターンシップ(企業派遣実習)」
「製品・サービスの試作及び試販売」
カリキュラム
日本が世界に誇る技術力を維持し発展させていくために,顧客への新商品の提供および新市場の開拓など,様々な分野においてイノ
ベーション(新しい価値の創造)が必要不可欠です。そのために,科学技術の知識だけではなく,経営に関する知識や経験,さらには「ものづくり」を通した実践的スキルを身に付けた人材が求められています。
『創業型実践大学院工学教育』は,アントレプレナーシップを備え,実践的スキルを有する視野の広い人材の育成を目的とし,大学院工学研究科と産学官連携本部が協力して実施する実践的教育カリキュラムです。技術経営(MOT)を基盤とした経営,財務,知的財産などの講義と,製品化・企業活動の実践的な経験を積むためのビジネスプラン作成やものづくり(試作品の製作及び試販売),インターンシップなどの実習で構成されています。特に,ものづくりなどの実習は,他機関が実施するMOTにはない特徴的内容であり,実践的スキルの醸成に大きな効果を発揮しています。受講生は,講義6単位および実習4単位の合計10単位以上を取得することにより『技術経営カリキュラム修了認定証』を学長名で授与されます。
また,「ものづくり」を実践するために,インキュベーションラボファクトリー(ILF)を創設するとともに地域匠人材コンソーシアムを構築し,設計や加工等ものづくりに豊富な経験と高い技術力を有する地域の匠の支援を受けて,ものづくり・商品化を進めます。ILFは,試作開発を通して,教員や学生自らが先進性のある「ものづくり」に参画し,生み出される「もの」を市場に流し,結果として帰ってくる社会の現実的評価を受けブラッシュアップできる,我が国で初の取り組みです。
区分 | 授業科目名 | 単位数 | 毎週授業時間数 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
1年次及び2年次 | |||||
前期 | 後期 | ||||
MOT科目群講義科目 | MOT概論 | 2 | 2 | ||
経営学基礎 | 2 | 2 | |||
技術経営のすすめ | 2 | 2 | |||
技術系のマネジメント基礎 | 2 | 2 | |||
起業化経営論 | 2 | 2 | |||
工学部講義科目 | 知的財産権の基礎知識 | 2 | 2 | ||
ベンチャービジネス概論 | 2 | 2 | |||
工学研究科共通実習科目 | PBLⅡ(製品・サービスの試作及び試販売) | 4 | (注2) | ||
MOT科目群実習科目 | 産業創成工学PBL | 2 | 4 | ||
異分野コミュニケーション | 2 | (注1) | |||
コース専用実習科目 | インターンシップ(企業派遣実習) | 2 | (注1,2) | ||
グローバル市場探索演習 | 2 | (注1) | |||
OCT(On the Consulting Training) | 2 | (注1) | |||
合計 | 28 |
(注2)インキュべーションラボファクトリの指導の下に,企業との連携の中で履修する。履修に際しては,POSコミティ及びILF担当者との充分な事前協議を行うこと。
履修上の注意
- 本カリキュラム受講上の注意
本カリキュラムを受講する際は,担当窓口へ受講申込みを行うこと。申込み方法等の詳細は別途公表される。
なお,産業創成工学専攻経営技術革新工学コースの学生は,副専攻として本カリキュラムを修了することはできない。 - 本カリキュラム修了要件
講義7科目計14単位中6単位以上,実習6科目計14単位中4単位以上,合計10単位以上を修得すること。 - 工学部講義科目は,学部の時に履修したものも認める。新たに大学院の時に履修する場合は,学部課程の履修単位扱いとし,大学院修了時の必要単位外とする。
- コース専用実習科目は,自由科目となり,大学院修了時の必要単位外とする。
- 「グローバル市場探索演習」は短期留学プログラムであり、工学研究科共通の短期留学プログラム科目「大学院海外短期インターンシップ」の単位とはならない。